幸せの配達人

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「…私が、行きたいのは」  そこは、遠い遠い異国の地。  昔見た絵本の、題材になった街。 「よぉし!ではそこに向かって一直線だ!」  配達人さんは満面の笑みを浮かべステッキを空に向けると、空飛ぶ絨毯はまっすぐ、女の子が望んだ地へと向かいました。    ♪  それから女の子と配達人さんは、様々な世界を巡りました。  絵本で見た国。歴史の本で読んだ場所。  しかも別の世界…ここでは無い世界も、女の子と配達人さんは訪れたのです。 「あっ、あのっ!剣っ!抜けちゃいましたっ!」 「お、おいっ!それって伝説の剣じゃないかっ!?」 「どうしましょうどうしましょうっ!?」 「まさか伝説の勇者の誕生シーンに立ち会えるとは…!」  剣と魔法で彩られたファンタジーの世界。 「雲が足元よりずっと下にある…!」 「あー、良い見晴らしだー」 「わっ!わわっ!」 「あんまり端っこに行き過ぎると落ちるぞー」  空より高い場所に沢山の大陸がある世界。 「綺麗…」 「日本の月も綺麗だが、こちらの月もなかなかの物だろう?」 「…本当に、綺麗ですね…」 「…ほら、涙を拭け」  赤と青、二つの月が浮かぶ幻想的な世界。 「こいつは私達幸せの配達人の協力者だよ」 「こっ、こんにちはっ!」     
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