幸せの配達人

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 …君は、いらない存在なんかじゃ絶対にないんだよ」  そう言って、微笑んだのです。 「……ッ!!」  雷に打たれた様な、とは、この事を言うのでしょう。  配達人さんが言った事は、女の子が思っていた事、考えていた事…そして痛みと、苦しみと、気持ち悪さの理由なのですから。  …女の子は、思っていたのです。  お母さんは、私の事を嫌っている。  何故ならば、もし自分がいなければ。  …女の子がいなければ、お母さんは遅くまで働かなくて済んで、こんな苦労をしなくて済んだのですから。  …その想いはやがて、明るく、活発だった女の子を、暗い性格にしてしまったのです。  私は、お母さんに愛されていないんだ。  私はお母さんにとって、いらない存在なんだ…と。   配達人さんのその一言は、その想いにヒビを入れる言葉でした。 「……ど…して…」 「…分かってしまうんだ。  …私も、同じだから」 「…おな…じって…?」 「………すまないが、私に少しだけ時間をくれないか?」 「え?」  女の子がなんとも言えない声を上げると同時に、空飛ぶ絨毯はぐぅーんと上空へと昇って行きます。 「きゃああああああああああああああああああああっ!」  昇って、昇って、昇って、どこまでも昇って、     
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