大晦日のフレグランス

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 嬉しいのか、悲しいのか、よくわからない激しさが全身を支配し、もはや自分が何を言っているのかすらわからなくなる。 「裕二、ゆう、じ……っ!」 「おまえの気持ちはよくわかった。だから、おまえが元気なときに改めて聞かせろ。今はおまえを休ませるのが先だ。とはいえ……」 「あっ……?」  急に桜井の身体が仰向けにされる。泣きべそを見られたくなくて、桜井が掛布で顔を隠そうとしたが、佐藤はそれを許さず、桜井の上に乗ると、そのまま涙をキスですくい取る。ふわりと香る緑のフレグランスが今度ははっきりと濃く感じた。佐藤の香りを身体いっぱいに吸い込んで、身体の中もすべて彼で染まりたい。 「いい人ぶってみようと思ったが、やはり無理だ」 「ゆう……じ?」 「今のおまえに無理をさせたくないのに、俺はおまえを抱きたくて仕方ない」  顔中キスの雨を受け、くすぐったくて顔を背けるも、そのまま唇を奪われ、否応にも身体の期待の方が高まってしまう。それは佐藤の方も同じのようで、彼の滾りが桜井の中心に触れる。 「当たってますよ、裕二」 「おまえもな。俺たちはどうも我慢強くなくていけないな。良い大人がまるでガキみたいになってる」  互いに顔を見合わせてくすっと笑みがこぼれる。  身体なんか何度も重ねたのに。     
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