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「私、あまり上手ではありませんけどね……」
桜井は震える手でそこにふれ、そこに舌を這わせていく。
「恭司、おまえ……」
「私ばかりが楽はできないから……」
「無理するな、熱があるしきついだろ」
「抱いてくださいとお願いしたのは私ですから」
佐藤の精液で身体の中も彼で染まりたかった。舌先で先端をちろちろと舐めていると、佐藤の熱核から透明な露がこぼれだす。その一滴も逃したくなくて、必死で舐めていると、桜井の口の中で佐藤が大きくなる。鈴口、裏筋を軽く唇で吸いながら、茎全体をねっとりと舐めあげていくと、佐藤の息が少し上がった。
とはいえ、どこをどうすれば佐藤を気持ちよくさせられるのだろう。
そういえば、いつも自分ばかりが快楽に翻弄されるばかりだった。イカされて、出すだけ出して、その後始末をするのもいつも佐藤だった。
佐藤が遊び人だとは思わない。飄々とした言動の男ではあるが、おそらく彼は桜井しか抱いていないだろうと思う。他人の匂いや気配が佐藤から漂うことは、今まで一度もなかった。
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