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3
真っ暗な家に帰るのは初めてかもしれない。いつもは母が仕事から帰ってきていて、ご飯を作るいい香りがしていた。
鍵を開けて家に入る。しんとした静寂に心が折れそうになる。
「みぃ? いないの?」
電気をつけて靴を脱ぐ。
みぃは普段母が立っている台所のカーペットの上で丸くなっていた。
「みぃ」
ほっとしてそばに行ってみぃを撫でた。
みぃは撫でられるたびに目を大きくしたり小さくしたりしながらされるがままになっていた。でも喉を鳴らして自分から私のそばに来ないのがみぃらしい。
「みぃ。今日はお母さん帰ってこないんだよ。病院にいるから。私たち二人だけ」
私はみぃに話しかける。
「お腹すいたよね。ちょっと待ってね」
みぃにキャットフードをあげて私は自分用にカップラーメンを用意した。
「お風呂入ろう」
いつもはお湯が入れてある浴槽。湯気がないだけでなんだか寒々としている。
お湯を今から入れる気になれず私はシャワーだけかかって済ませた。
髪を乾かして、まだ出したままのこたつに足を入れ、テレビをつけた。なんだか内容が頭に入ってこない。私はパチンとテレビの電源を切った。
明日の時間割を見て、教科書類を鞄に入れる。予習をしないといけないけれど、そんな気分になれない。
私はもう寝てしまおうと布団をしいた。
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