ビーフシチュー

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「出来ないことは誰にだってあります。それは当たり前なことです。でも、それで変わることを諦めて仕舞えば終わりです。あなたは、自分が変わりたいと思ったから変わろうとした。だった出来ます」 「本当……ですかね?」 「はい。勇気を持ってください」 そう励まされた。 根拠はなかったけれど、勇気をもらった。心に火が灯る。 「あの、おかわりお願いします」 「はい、かしこまりました」 私はその後もその美味しいビーフシチューを口にした。 心からのぬくもりを抱いて。 ◇◇◇ ここは迷える子羊が迷い込む不思議なレストラン。 私はそんな人たちを最高の形でもてなし、そして心を清める。 数日後。この店に来た女性が現れた。なんと雇って欲しいとのことだった。私は「あまり給料は高くありませんよ?」と聞くと「大丈夫です」と言われた。 そして彼女は、画家を目指しているらしく。私の肖像画を描いた。その兄は魂がこもっていた。そのぬくもりは忘れることはないだろう。
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