ビーフシチュー

「な、何か……あ、温かい……ものを……」
「あっ！だ、大丈夫ですか！すぐに用意しますね」

私は女性を店の中に運んだ。

◇◇◇

女性を店の中に運び入れた私は、その人を一番近いテーブルのある場所に座らせた。
その席はちょうど窓際の席だった。

私は女性の注文したものを考え、用意する。

厨房に戻ると、私は準備を始めた。
厨房には、いろいろな道具があった。それはどれも普通で、高級レストランのような一流の機材はない。至って普通だった。

「さてと、温かいものですか。何がいいんでしょうか？」

私は悩む。
シェフとは、常にお客様のことを考え、最高の料理でおもてなしをする。そんな職業だ。また、今そこにある食材を使っていかにしてその味を引き出し、魅了できるのかにかかっている。

（そうだ！）

私は閃いた。まだ作りかけの料理があったのだ。厨房のまな板の上には、くし切りの玉ねぎ、乱切りの人参。ブロッコリーにジャガイモと野菜が豊富に並んでいる。

私はそれを見て、先ほどまで作っていた料理を思い出した。作りかけの料理を見て、私は次の食材を手にした。

◇◇◇

私は夢を見ていた。
それははっきりと夢だとわかった。

私のいたのは、大学だった。