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 昔から、彼女には困った性分があった。 『純白なモノを黒く染めたい』 幼少期には、真っ白な紙を黒のクレヨンで、ただ一日中塗りつぶすだけの遊びをしていた。 父親に買ってもらった絵の具も、それを使って絵などは描かず、白色に黒色を混ぜるだけの遊戯をしていた。おかげで、白と黒の絵の具だけが不足していた。  彼女自身も、なぜそんなことが面白いのか理解できなかった。 だが、得てして人間はそんな生き物であるのは高校生になったあたりで悟っていたので、そのことについて考えるのはやめた。  ただ、自分が楽しく、快感を得られればいいじゃない。 そう、毎日がこんなにも黒く輝いているのだから――。
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