SB03駅

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SB03駅

「ようある社内恋愛で結婚、  私が26であの人が30歳の  大安吉日の春。  結婚してすぐやった…  開発し始めの住宅地に  家を買うて庭に  チューリップを植えたわ。  あの人、真面目で  子煩悩やったんやで。  アンタが生まれる前から  ブランコ作ったりして・・・。  でもなあ、いつからなんか、  何がきっかけなんかは  解らんのやけど、  あの人に“好きな女“が  出来て・・・はじめは何か  『おかしいなあ、   隠し事あるんかなあ』  みたいな感じやったんが、  帰りが遅いのも  日曜に出掛けるのも  言い訳せんようになって…  帰って来えへん夜も。  “決め手“の日が  真紀子を出産して  2ヶ月振りに帰った日。  台所に“知らん女“が  立っとったんや!  泣いて怒ってる私に  『お前が“面白味のない女“   やと気付いたんや』  シラケた様子で  あっさり言うんで  余計腹立ったわ。  『“面白ない“という理由で   子供達を不幸にしても   平気なん?!』  『俺が不幸で子供は   幸福になるわけない』  返す言葉なしやろ?  笑うしかないわ」  ーこれが母親から聞いた    離婚の全貌ー いや、ラストはまだある。 母親は俺が覚えてないと 思うたんか、cutしたけど、  「女房子供にこんな仕打ちした   アンタなんか地獄へ   堕ちたらエエんや!」 父親にその言葉を投げつけて 母親と8歳の俺、乳飲み子の妹は、 父親と縁を・・・切った。
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