過去作)新年

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 年が明けた。文字に起こすとそれ以上でも、それ以下でもないのだが流れる時の中で、節目を迎えた。  年が開ける真夜中12時。私は風呂の中で1人、浮き上がってみた。別に何と言うわけでもないが、高校生にもなって新年への強い期待があるわけでもないため、自分で付加価値をつけることにした。そのため今年の私は、水中から始まったのである。  新年を迎える作業も、16回も経験してしまうと全くと言っていいほど形骸化してしまった。面白くない。年末まで溜め込んだ汚れを落とし、友人に「良いお年を」と告げ、そばを食べるだけである。お正月の歌を歌ってまで楽しみにしていた、お正月というイベントは大したものではない、と気づいてしまったのである。楽しみが1つ減ってしまった。やはり人間は、少しくらいバカで無知で、鈍感でいた方が楽しめるのであろう。  世間様が騒いでいると、どうも気が落ち込んでしまうため、書き初めであるにも関わらず、暗い文面になってしまい、皆様に申し訳ない。こんな風に始まった新年に、自分でも不安を覚えたが、水中から始めた年が悪くなるわけがないと信じてみる。 2019年という年が皆様にとっても、私にとってもいい年になりますように。
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