奇妙極まりない双子

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島原は呆然と、赤ん坊の消えた先を見つめていた。 しばらくするとトキが現れた。 「島原様でしたね。お久しゅうございます」 トキが一礼した。 「勘解由小路に用があって伺ったのですが」 「坊っちゃまは寝室においでです」 坊っちゃまは相変わらずのようだ。島原は上がり込んで、寝室の扉の前に立った。開けた後目に映る光景に覚えがあった。まさか。流石にもうあるまい。ノックして扉を開けた。 その光景はなかったが、島原は視線を背けた。諫早は授乳中だった。 「島原か。久しぶり」 「電話も繋がらんで何だ!奥さんは壮健そうで何よりだ」 「おう。諫早は本当に可愛いぞ。三人目を作ろうと頑張った。だが駄目だった。流石に自信を喪失しかけた。だって諫早お腹スッキリして通常の三倍の色気なんだぞ?しかも小鳥遊は3日でギブアップしたが諫早は一週間寝ないで俺を圧倒した。食われそうになった。なのに妊娠せんとか有り得んだろう。トキが言うには、俺が原因らしい。双子を孕んだ時、俺の霊力の大半を双子に分け与えたらしい。それが今ゆっくり回復中でな?それが終わらんと妊娠せんらしい」 「私はいつでも門戸を開いておりますが」 「そうかそうか。
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