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どうだろう。正直に言っていいか?」
「はい。何でも仰ってください」
「可愛いぞ諫早。愛してる」
その言葉に、諫早は意識が遠のき、仰け反るようにふらついた。
「おい。危ないじゃないか」
支えた勘解由小路の体に巻きつく様はまさに毒蛇のようだった。勘解由小路の肩にしがみつき、肩を甘噛みした。ムワッとするような甘い、濃密な発情した女の匂いがした。
「生きていて良かったです。そんな風に言っていただいて。元気な双子を絶対に産んでご覧に入れます」
「何でもう妊娠してるんだろうな。今日中に妊娠させる気満々な俺がいるぞ。こんなにいい女がいていいのかな?お前がゴーゴンだろうがバジリコックだろうが構わん。諫早真琴。お前は最高の嫁だ。お前がいないと困る」
諫早は一々小さく痙攣していた。主人の言葉に喜ぶ子犬のようでもあった。嬉ションの一歩手前にいた。
盛り上がりが最高潮を迎えた諫早は、勘解由小路の机の下に入り込んだ。
物凄い力で、勘解由小路が座っている椅子を引き込んだ。
島原がオフィスに戻った時、行儀よく机に向かっている勘解由小路の姿があった。
「勘解由小路、どうした?諫早君は帰ったのか?」
「いや、別に」
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