冬島温泉の巻

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逃げる時の仕組みは船大工秘密という事だったが、大砲の火を噴くバージョンで船尾から出た炎で船は思いっきり飛び、進行方向をかなりそれてしまった。 大体、夏から夏の島に行くことは無く、春夏秋冬と行くか、春秋冬夏秋とランダムに進む。 着く前には凪になり、なかなか船は進まないが、その間にすることは沢山ある。 が、その前にこの船の進んでる方向はどこなのかを知りたい。 夏の島からならば、そろそろ秋か春と予想していたのに遠くに見える雲は真っ暗。 嫌な予感しかしない。 「次の島までは早そうでちゅよねー」 「えーとね、あの島からこっちに飛んで……」 「舞茸、そろそろどの辺か知りたいでちゅよ」 「舞姫だから!今割出してるけど、次の島は多分冬かも」 「えー!QUE寒いの嫌いでちゅよ」 「さっき、小さい島を通ったからこの辺だと思うんだよねー」と地図を見せてくれる。 何枚もある地図に細かく島の図を書いていったり、海図や潮の流れを書いていくのも舞茸の仕事。 それを見てQUEは航海日誌を書く。 「1週間て所かな?この辺は島が沢山あるみたい」 「んー、敵船がいたら乗り込みまちゅけど、まだアンヨが治ってないでちゅよ。それにおちりにも大きな青血が……」 「着地がお尻ってどんだけ重いの?」 「これでも、まだ全快じゃないから優しくしてほちいでちゅよー」 舞茸の横で日誌を書いてから、狼歩しゃんに次は冬だということを伝えて、お部屋からお気に入りのコートを出す。 ジャンパーと、マフラー、耳当てに手袋。
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