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お前の中にある物語は親のものでも友人のものでもない。自分だけの物語だ。
だから自分が自分自身で選べ。自分の物語を。
だから……俺がいなくても関係ない、俺がいなくてもいい、自分がいればいればいいんだ、自分で作れ、自分だけの物語をな。
でも、できたら”母さんと一緒に”』
『自分だけの……物語』?
なんで親父がこの言葉を……?
『自分だけの物語』、俺が大切にしている言葉。その言葉は誰かの偉人が言った言葉だったか、はたまた何か本や漫画で見たセリフなのかは覚えていないが、大切にしている言葉。
俺が心にとどめている言葉……なのに……なぜ、親父が……?
「お前は、俺がいなくても大丈夫だよな」
「何がだよ! そうやってまたいなくなるんじゃねえか!」
「まあ、そうカッカするなって。別にもう帰らないってわけじゃないだろ?」
「帰ってもどうせすぐ、また出ていくだろ!」
「でもすぐ帰ってくる」
「親父のすぐは一ヶ月以上だ!? 話にならねえよ!」
「わかったわかった。今度は早く帰ってくるから」
「そんなの何度も聞いた嘘だろーが! そんなに俺と母さんが嫌いか!」
「ああ、もうピーピーうるせえな。母さん、悠斗のことよろしくな」
「おい、逃げるなよ! 逃げるなよ! 親父!」
…………
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