白想花

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出発は明日の朝一に。山の頂上辺りを探そうと思っている。 準備はしっかり丁寧に行った。 テオは、ミラの為ならば何でもできるような気がした。 三年に一度しか咲かないと言っていたが、最悪は三年かかるかもしれないということだ。 しかし、白い花は本当にあるのかも分からない。 不安が募り、心が潰れそうだった。目元に涙を残して、テオは眠りについた。 朝日はとても眩しく、爽やかだった。テオは急いで山の頂上を目指して歩いた。 子供の足ではかなり遠く、辛いものだ。しかし、決してテオは諦めなかった。 頂上に着いたのはお昼頃だった。夕方までには帰らなければならないので、そう長くはいられない。 「早く見つけなくっちゃ。」そう焦る気持ちが先走り、探し方が荒くなってきている。 帰る時間となった。結局テオの手には何も無かった。テオは泣いて帰った。 見つけられなくて泣いてるんじゃない。僕の心がなんでこんなに弱いのか腹が立ったからだ。 もうどうすればいいのか、もうミラと遊べないのか。 そう考えるだけで自然と涙が溢れてくる。 部屋の中で響く嗚咽。そこにノック音がなった。 「テオ、大丈夫か?」 心配した父が来たのだ。僕はやろうとしていた事、考えてた事を全て話した。 「テオ、お前は優しい子だ。でも、本当にすべき事はそれであってるのか?ミラちゃんはどうしたいと思う?」 「病気を治したいと思う。」 「そうだな、でもそれはお医者さんが頑張ってくれる。だからお前は元気を与えるべきだと父さんは思う。」 「元気?それだけでいいの?」 「あぁ、そうだ。だって友達だろ?」 「友達…。そうだよね。ありがとうお父さん!」 テオの目には涙ではなく、光が溢れていた。 ミラとの幸せの時間を考えるだけで笑顔になった。
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