368人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
「かあぁ――さんっっっ!」
首を傾げたままのあたしの背後から、お風呂から出てきた遼ちゃんの怒鳴り声が飛んできた。
びっくりして振り返ると、肩にバスタオル掛けた遼ちゃんが腕組んで仁王立ちしてた。お顔が、すごく怒ってます。
「何言っちゃってんの!? ひよはまだ16になったばっかだろ! そういう事は近所のオバハンが教える事じゃないんだよ!」
「あらいやだ、遼太。この情報社会で今の高校生に早いも何もないでしょ。アンタ高校の先生なんだからそのくらいは……」
「もーぅいいっっ! ひよっ、来いっ!」
「あ、ちょっと、遼ちゃん」
遼ちゃんはあたしの手を掴み、ズカズカと階段を上り始めた。
「ひよちゃーん、後で一緒にご飯食べて行ってねー」
遼ちゃんに怒鳴られるのなんか慣れっこのおばさん。ニコニコしながら階段下から手を振っていた。
最初のコメントを投稿しよう!