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遼ちゃんの両手が、あたしの顔を優しく挟んで、スルッと髪の毛まで梳いてくれて。
触れる指にドキドキする。くすぐったい。
肩を竦めたあたしの唇からゆっくりと遼ちゃんの唇が離れていく。クスッと笑った遼ちゃんがお膝の上に乗せてくれた。
大きな両手があたしの顔を包んで、額を合わせて、目と目を合わせる。遼ちゃんの、黒く澄んだ瞳は力強さと優しさが同居してます。
胸がギュッと掴まれたみたいに痛くなって、涙が出そうになるのは、どうしてかな。
遼ちゃん。
呼びかけようとしたけど、
「ひよ」
低くて、甘くて、柔らかに空気を響かせるお声に呼ばれた。
「はい」
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