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キィ――……ン、と秋の夕焼け空に響き渡る金属バットの打球音。グラウンドで練習する野球部員達のかけ声に混じって、
「打球の落下地点の予測がおせー、って何度言ったらわかるんだー!」
バット片手にノックしている若くて元気な監督さんの声が校舎の4階までよく聞こえた。
「平田センセ、めっちゃカッコイイー」
窓辺で頬杖ついてるあたし横で、仲良しの茉奈ちゃんがうっとりとつぶやいてる。
「そだねー……」
監督さんの名前は、平田遼太先生。教師2年目の24歳。教科は数学。野球部の監督さん。
超弱小チームだった野球部を、監督になって2年でなんと県大会ベスト4までのチームにしてしまった、すごい監督さん。すっごくカッコイイからレギュラー部員の先輩達より女のコに人気があったりする。
でも、俺に付いて来い的なアニキっぽいとこがいいのかな。男のコにも好かれてて、ちょっと悪そうなコ達も平田先生の言う事なら聞いちゃう。
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