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秋の夕暮れは早くてあっという間に外は夕闇に包まれる。
もう真っ暗だー。
宿題をしていたあたしは、窓の外を見て、壁掛け時計を見た。
そろそろかな、とカラカラと窓を開けて顔を出し、外灯が続く夜道の先に目を凝らした。少しして長身の男の人の姿が見えてきた。
来た! その人が、うちの前まで来る。
「遼ちゃん!」
あたしが2階から声を掛けると、
「ただいま、ひよ」
日に焼けた精悍な顔があたしを見上げ、白い歯を覗かせて笑った。
「今ねー、宿題やっててねー、わかんないからそっちに行ってもいい?」
「相変わらずだな」
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