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定期異動と異なる時期に特例配置されたので、前任者が異動するまでは定員外扱いだったけど、先週やっと春季異動が終わってようやく今週から定員のひとりになった。前任者から引きついだ専用のパトロールドローンの整備は、すでに昨日終わっている。
「まだ点検終わらないのかな」
事務所の横のハンガーでは、県警本部装備課の整備士さんが、僕のパトロールドローン、呼称名「PD102号」の月例点検を行ってくれている。午前中で終わるって言っていたのに、正午を回ってもどうやらまだ終わっていないらしい。
内窓越しにちょっとハンガーの様子を見てみようとへ伸び上がると、同時に背後の湯沸し室から艶やかな声が響いた。
「もうっ! 高取翔太巡査部長っ! 女性職員を『ちゃん』付けして呼ぶのはセクハラよっ? 藤崎さん、『凜ちゃん』なんて呼ばれたらちゃんと抗議するのっ」
湯沸し室から薄いアルミの扉を開けて入ってきたのは、この藤崎凜ちゃん、いや藤崎巡査の所属係である第三警ら係、女性隊「ホワイティエンジェルス」の係長、小田部麻里警部補。
だいたいなんだい、そのアニメみたいなチーム名は。
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