第1話「出動! コンビニ強盗を逮捕せよ」1/2

5/12
前へ
/251ページ
次へ
 僕より三つ年上の29歳、拝命も三年先輩で、去年の秋にこの女性隊が発足するときに係長としてやってきた。もともと趣味でハイパードローン競技をやっていたらしい。  くるっと先がカールしたショーカット、天然パーマがちょっとだけ可愛らしい。 「はぁ、すいませんね。女性係員は女性幹部が指導してくれると助かるんですがね」 「へーん、あんたたちからしたら女性隊は『お(かざ)り』なんでしょ? あたしなんて鏡餅(かがみもち)の上のミカンじゃん。それに教養担当の高取(たかとり)部長どのは、巡査部長昇任試験一発合格、将来は署長になること間違いなしのなんでも出来る天才らしいし? ね? (しょう)ちゃん?」 「女性から名前呼びするのはセクハラにならないんですか?」 「あたしはいいのっ」  なんなんだ。  ちなみに、この「ホワイティエンジェルス」というチーム名は女性隊だけのもの。  交通機動隊女性白バイ隊の「ホワイティーハーツ」、自動車警ら隊女性パトカー隊の「ホワイティーアローズ」と並んで、わが県警の三大女性部隊のひとつ。各種行事ごとやイベントごとに出動しては、県警の好感度アップに貢献している。  たしかに県警全体から見れば、ある意味「お(かざ)り」扱いなのかもしれないな。 「ずいぶんトゲがありますね」     
/251ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加