第1話「出動! コンビニ強盗を逮捕せよ」1/2

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 無線が終わらないうちに、休憩中の二人もサッと立ち上がって小走りに事務所を出て行った。 「ごめんね? 『ちゃん』付けして。ちょっとお勉強中断。またあとでね? (りん)ちゃん」 「はい。あの、私は、その、……嬉しいので」 「(しょう)ちゃんっ? セクハラよっ?」  小田部(こたべ)係長の声に重なって、次の無線が流れる。 『県本部から強盗容疑事案従事中の各局、事件内容の手配。現場(けんじょう)は赤坂三丁目ファミリーセブン赤坂三丁目店。被疑者は若い男性一名、茶髪、サングラスにマスク、灰色パーカー、ベージュ色作業服ふうズボンを着用。拳銃(けんじゅう)(よう)の凶器を所持』 「(りん)ちゃん、無線、ちゃんと聞き取れる?」 「えっと、……頑張ります」 「あああもうっ、あたしのことも麻里(まり)ちゃんって呼んでっ!」 『被疑者はさきコンビニ店で男性アルバイト店員に拳銃(けんじゅう)(よう)の凶器を突きつけ、「金を出せ。出さないと撃つぞ」と脅迫、現金約六万円を強取(ごうしゅ)。その後、ナンバー不明の黒色スクータータイプ原付で六本松方向へ逃走』  一生懸命に無線に耳を傾けている(りん)ちゃんをちょっとだけ微笑ましく思いながら、僕はさっと席を立って無線機の前に陣取った。     
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