三章 クラス

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コッコッと、ノックの音がして聞こえてきたのは、まさにイケボと言われている声でした。 「Sクラス担当、白炎刹那です。」 「入れ。」 「失礼します。」 えーと、Sクラス担任、とか聞こえましたね。私にはホストにしか見えないのですが。 『でも美味いな。ホスト教師かな?秋さんよくやった!王道やんけ!』 「俺が白炎刹那(ビャクレンセツナ)だ。とりあえずクラス行くぞ。」 この人が先生だったのですね。失礼ですが、見た目完全ホストですね。まあ、見た目で人を判断してはいけませんよね。 『そうだよねー。だって小説とか漫画とかのレギュラー不良って大体が優しいもんね』 「失礼しました。」 あ、なんか秋が小声で頑張って〜とか言ってますね。手、振ってます。先生の前ではゆるふわ出さずにいるみたいですから。あ、白炎先生があっち見ましたね。秋すごい焦ってる。おぉ、一瞬で威厳出しました。全く、バレたくないならやらなきゃいいのに。しょうがない。 少し手を振り返してあげましょうか。『すごい喜んでるね。あ、倒れた』 「じゃあ行くか。」 「あ、はい。っあ、そうだ。」 そういえばこの変装のことを先生に伝えてませんでしたね。秋が伝えておいた...なんて事はないですよね。伝えておいた方がおいおい楽そうです。 「ん?どうした?」 「先生、実はこれ変装なんです。」 『はえ!?黙ってて!それダメ!言っちゃダメなやつ!』 「ん?まぁだろうな。」 「っえ?わかってたんですか?」 「伊達にホストやってなかったからな」 ガチですか。ホストやってたんですか。 「まぁ、把握しといたほうが良いな。変装解けるか?」 「あ、はい!」 パサッ ふう。やっぱりこっちの方が楽ですね。頭も少し重かったですし。......なぜか先生が凄く驚いていますね。どうしてでしょうか。 「あの、先生?どうしたのですか?」 「いや、なんでもない。ひさびさにすごいレベルの美形見て驚いてるだけだ。鬘だけで変わるもんだな。あぁ。眼鏡とカラコンもつけてるのか。」 『おぉ!ホストもすごいレベルと!俺の見た目ってすげー!!』 「あぁ、それなら、これ伝えとかなきゃな。」 「なんですか?」 「もし今後別の教師に変装といて、名前で呼べとか言われても、呼んだらダメだぞ。調子に乗るからな。ここにはそういう奴も残念だが居る可能性が高い。 ていうか変装、解かないほうがいいぞ。まー、他人がこんなこと言うのも変だがな。」 「?は、はい。」 『名前呼びイベがぁ、あ、でもこれ攻略対象おれか。ならいいや。』 なんででしょうか。まあ、そうしときましょう。 「それでいい。強要してすまんな。」 なんか、良い先生みたいですね。 鬘とカラーコンタクトと眼鏡を戻し、しばらく歩くと教室に着きました。秋、廊下少し短くしても良いんですよ?そういえば白炎先生も理事長室来た時少し息上がってたような。 「少しここで待ってろ。」 「はい。」 先生が中に入るとすぐに、 「キャァァー」 「抱いてー」 「白炎先生ー」 .............ここ、男子校ですよね?しかも頭いいクラスですよね? 『それであってます。二重の意味でね!』
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