第四章

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 玉藻の前の義娘の綺子ちゃんも職務で出動、トラブル解決屋の比良坂さんちの神様メンバーも出てくる。  もちろんメンツ潰された神々も動くだろうし、となれば配下の者達も……。  ……うん、無理だな!  日本中の人外のもの全部敵に回すってことだもんね。それでもやる奴がいたら逆にお目にかかりたい。 「うん、そこまでリスキーなギャンブルするアホいないでしょうね。ていうか九郎、あんたはこの計画知ってたんでしょ? なんで事前に教えてくれなかったのよ」 「神々の前で結婚式やったら逃げられなくなるって拒否られるかと思った」 「しないわよ。武士に二言はないの。理由はどうあれあんたの嫁になるって口に出した以上、責任はとるわよ」  それがあたしの信条だ。 「東子カッコイイ。ていうか、式はサプライズにするしかなかったんだよー。どんなプラン提案しても東子嫌がるじゃん」 「どこのマンガかロマンス小説だってのばっか持ってくるからでしょうが」  ゴンドラ、キャンドルとか定番ネタを皮切りに、作詞作曲(しかも上手い)したの演奏。豪華客船や有名テーマパークや高級ホテル貸し切り大々的にパーティー。花火打ち上げ、城(どこだよ)で舞踏会(シンデレラか)、海外高級リゾートビーチで……etc。  滔々と大真面目にプレゼンしやがる蛇神様にハリセンツッコミくらわせたのは致し方ないと思う。 「ああ、聞いた。最初それ全部やろうとするから止めて、イザナミノミコトプレゼンツってことで納得させた」 「ありがとうございます比良坂さん。それで簡素だったのかと納得しました。いえそれでいいんです」  でなきゃコイツの蛇状態の体を結んで縛ってでも阻止する。 「比良坂士朗、あんたも自分の時は暴走しないよう気を付けるのね」 「やらねーよ。……俺とあいつはそんなんじゃない」  あれっ。 「比良坂さん彼女いるんですか」  いても驚かないが。こんなイケメンにいないわけがない。少女漫画でヒーロー役はれる正統派イケメンで、面倒見のいい兄。妹の桃ちゃん曰く「普段は寝ころんでネットサーフィンか漫画読むかゲームしかしてない。だらしなくて、これが保護者であたしの人生大丈夫か」らしいが、まぁちょっと抜けてるとこもご愛敬だろう。  古くからある陰陽師の家系の当主だそうだし、小さい頃からの許嫁くらいいそう。  比良坂さんは顔をしかめた。 「いない」  短く答えてそっぽを向く。
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