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「ッ!まだまだ!」
そう言って剣を振るけど、もう剣を持ち上げる力も足りなくて、剣を振っているじゃなくて剣に振り回されている状態だ。
「今日はここまでにしておきましょう」
そう言うと、姉上の護衛の騎士のレナードは僕から剣を取り上げてしまう。
「まだまだ出来るよ!」
「そんなフラフラで何をおっしゃいますか。さ、お部屋に戻りますよ」
レナードは部屋に戻るよう促してくるけど、僕はまだ出来ると言い張って動こうとしなかったからか、レナードは僕に近づいて来て僕を抱き上げた。
「ちょっと、降ろしてよ」
「動けないのでしょう?大人しくしていてください。落としてしまうかもしれませんよ」
バタバタ暴れていたけど、落としてしまうと言われてしまっては、大人しくレナードにつかまっているしかない。
落ちて痛い思いをするのは嫌だからだ。
大人しくなった僕を見てか、レナードは満足したように微笑んで、僕を部屋まで運んでくれた。
「…重いでしょ?」
「いえ、シャルロット様は軽すぎますよ。ちゃんと食べていますか?」
「食べてるよ」
「それは失礼しました」
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