時は流れて…

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「それにアンタ、ランスにも負けたって聞いたわよ」 「その話は何処から!?」 「…本当だったのね。 レナードから聞いた時は冗談だと思ったのだけどね…」 姉上の言うランスは、僕と姉上の弟で、ランスロットと言う。 僕から10歳離れた弟なんだけど、魔法の力もずっと強くて、剣の腕前も既に僕より上なんだ。 クリスティーナだった頃との大きな違いは、クリスティーナに僕と言う弟が居るだけじゃなくて、もう一人弟が居ると言う事だ。 それと、両親の仲がすこぶる良好な所だ。 僕がクリスティーナだった時の両親の仲は冷え切っており、家の中でも顔を合わせるのも滅多に無い事だった。 それが、今では3人も子供が居て、お母様のお腹の中には更に新しい命も宿っている状態だ。 「本当に気をつけなさいよ。 最近はヤブコビッチって博士が男でも子供が作れるって薬を開発したらしいんだからね。 アンタ一人でフラフラと歩いてたら男女の区別なく襲われるわよ」 「え!?そんな話聞いた事無いよ!」 「ニュース位見なさいよ。つい最近発表されたばっかりで、連日騒がれているんだから」
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