遂に入学

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王立セクレータ学園の入学式当日。 僕は壇上に上がって、新入生代表として挨拶していた。 僕が私だった頃はエドワード王子が新入生代表だったなと思い出した。 姉上に聞いたら、姉上の入学式の時の新入生代表はエドワード王子だった。 その時は、女性からの歓声が多くて煩かったと言っていて私の時と同じだったけど、今は男女の区別なく歓声が響き、黄色い歓声に野太い雄叫びが混ざって黄土色の歓声といった感じに、会場内に響いている。 ハッキリ言ってここまで煩いと僕が何か言っていても聞こえていないんじゃないかと思うんだけど… 口パクで終わらせたいけど、そうも行かないから事前に用意しておいた原稿を読み上げる。 読み上げだした途端、会場内を揺るがすほどの歓声はピタリと止み、多分僕の話している言葉がマイクを通して会場内に響いていると思う。 だって、さっきの壇上に上がってから読み上げるまでに響いていた歓声で耳にダメージを負っていて、自分が何を言っているのか分からない位だもん。 私の時のエドワード王子の挨拶はもう少しマシだったし、あの時はただの新入生だったから、耳栓をしていて耳にダメージを負う事は無かった。
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