遂に入学

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ちゃんと読めているかどうかは自分では分からないけど、原稿の最後まで読み切ったから頭を下げて壇上から降りる。 チラリと見えた範囲だけど、特に何を言っているんだろう的な目で見られてはいなかったから、多分ちゃんと読めていたと思いたい。 耳へのダメージと、緊張によって体はフラフラとしているけど、何とか自分の席には戻れた。 その後も、入学式は順調に進んでいるようだ。 相変わらず、耳へのダメージは抜けきっていないから、周りとかが何を言っているのかは分からないけど。 式の最後の方になって、(ようや)く耳へのダメージが抜けて来たからか、周りの音が少しずつ聞こえ出してきた。 そのおかげで、周りが席を立つ時に、一人だけ遅れて席を立つと言う事にならなくて済んで良かった。 目立つのは新入生代表の挨拶だけで、もうお腹いっぱいだよ。 式が終わったから、教師に連れられてそれぞれ振り分けられた教室に入る。 僕はS組に振り分けられていた。 S、A、B、C、Dと5クラスあって、順に家柄と成績の良い順で振り分けられる。 僕の実家の公爵家はかなり上の家柄だし、僕の成績は入試トップとなっていたから、S組になるのは当然って感じだった。
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