悪役令嬢の終焉

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……パチパチパチ―― 足元から火の燃える音と共に、足裏から熱さが伝わって来て、それは徐々に上へと広がって行く。 その熱さは私の肺を焼き、下から上がって来る煙とも相まって息苦しい。 朦朧(もうろう)とする意識の中、少し離れた所からこちらを見る二人の男女の姿をぼやけた視界に(うつ)す。 そこにはかつて愛した男性と、かつての恋敵の女性が居た。 ……どうしてこうなったのだろう――…… 新しく生まれ変われるのなら、こんな最期を()げるような人生ではなく、平凡でもいいから平穏な人生を歩みたい…… そんな事を考えながら私の意識は無くなっていった。
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