遂に入学

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「お久しぶりです、エドワード王子」 「エドでいいって、前にも言ったでしょ?」 「いえ、学園内で王子にそんな呼び方をしたら他の方々から何をされるか分かりませんから」 「シャルは将来の義弟なんだからいいのに」 そう言いながら、何故かエドワード王子は僕を抱きすくめて来る。 力の差が歴然としているから、いくら抵抗していてもエドワード王子の腕はピクリとも動いてくれない。 「は、離してください!」 「ほら、エドって呼んでごらん?」 こんな風に抱きすくめられるとかは私だった頃には一度も無かった。 それに離すよう言ってもちっとも聞いてくれない。 私だった頃だって、エドワード王子を愛称で呼べと言われた事も無ければ、愛称で呼んだ事も無い。 「……エド……」 「もう少し大きな声で呼んでほしかったな」 渋々小さな声で言うと、漸くエドワード王子は僕を解放してくれた。 またされては困るから、すぐさまレナードの後ろに隠れる。 と言うか、姉上がすぐ近くに居るのに、何故僕に構うんだろう?
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