遂に入学

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「あ、そうだ。 姉上には聞きたい事があったんだけど、入学式の日に王子に言っていた事って冗談ですよね?」 「ああ、あれ? 冗談なんかじゃないわよ。 今までだってずっとアンタに好意を示してきたんだけど、気付いていなかった訳?」 そう言われて思い出すのは、実家に居た時に時折尋ねて来ては、僕に対しては大抵笑顔で話しかけて来ていた事位だ。 私だった頃の王子は大抵無表情で、二言三言交わす位で婚約者と言うのは名ばかりだった感じだったから、王子の笑顔には未だに慣れない位だ。 でも、姉上にも同じような対応をしているんじゃないのかと思っていたんだけどなぁ… だって、姉上と話している時も結構笑顔で話している事が多かったし。 「その顔はやっぱりよく分かってないわね。 だからこそ王子は、私達の両親の目が無くなった学園ではタガが外れてあんな風に直球で行くようになったのよ」 「…姉上は弟に婚約者を取られてもいいというのですか?」 「対外的には良くは無いでしょうね。 でも、ずっとアンタのことが可愛い可愛いって言ってくるようなのは、こっちからお断りなのよ」
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