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卒業生の最後の一人が学園の門の向こうへと去って行くのを見送った後で学園の校舎に戻る。
卒業生も最後の一人となるともう見送りに来ている他の在校生は殆ど居ない。
全く居ないと言う状態を作らない為にも、生徒会長と副会長は卒業生が全員門の向こうに行くのを見送るのが生徒会業務であったりする。
こうした生徒会業務がまだ無かった頃、誰にも見送られなかった卒業生が後日学園に危険物を持って乗り込んで来た事があった。
そんな事件のあった翌年の卒業式から、生徒会長と副会長は卒業生の見送りを最後まですると言う生徒会業務が出来上がった。
僕としては、別に見送られなかった位で学園に乗り込んで来なくとも…とは思ったけど、その卒業生は後輩との交流が殆ど無く、見送りが誰も居なかったのがかなり寂しかったらしい。
それに、そんな業務が無い在校生は知り合いの卒業生が門の向こうへと去った後はもう校舎に戻ってしまうから、見送る在校生の数は段々と減っていくものだから、余計に寂しかったのかもしれない。
さて、僕も他の校舎に戻って行く在校生達の様に校舎に戻ろうとした所で、すぐ隣に居たエドワード王子に手を取られて動きを止められてしまった。
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