897人が本棚に入れています
本棚に追加
トーマス君と二人で他愛ない事を話していると、教室の外から名前を呼ばれてそちらを見るとエドワード王子の姿があった。
今日は後で迎えに来るとか言われていないし、生徒会の仕事も今日はお休みだ。
何か用があるのかと思って、トーマス君に断ってエドワード王子の方へと向かった。
「何か用がありましたか?」
「いや、一緒に帰ろうと思ってな。
もう今日の最後のSHRは終わったんだろう?」
「えっと、あの、今日はトーマス君と一緒に帰ろうと思ってたんですけど…」
「そうか、先に言っておくんだったな。
では、また明日」
そう言ってエドワード王子は一人で帰って行った。
今日の感じだと、トーマス君の方を断って来いとか言われそうだったのに、あっさりと引き下がったのが不思議だった。
「シャルロット君、エドワード王子は何だったの?」
「うん、一緒に帰ろうと誘って来たんだけど、トーマス君と一緒に帰るってさっき言ってたから、そのまま言ったらあっさりと帰っちゃったんだよね…」
「今までのエドワード王子だったら教室の中に乗り込んで来てボクに直接シャルロット君と一緒に帰るのは俺だとか言いそうだったのにね。
どうしたんだろう?」
「トーマス君もそう思ったんだね。
僕もよく分からなくて。
だから不思議なんだよね」
最初のコメントを投稿しよう!