0人が本棚に入れています
本棚に追加
だから僕は言ったんだ。
「あなたもね、人生を楽しむために産まれてきたんですよ」
彼女は鼻で軽く笑った。それは、人を小馬鹿にする意味を持つものではなく、何でもやってみるから今の状況を変えたい、どんな馬鹿げたことでもやってやるからというような、粋な思考を含んでいた。彼女は少し小さな声で言った。
「死ね!を言わなくなれば、夫は私の所に帰ってくるのですか? 他に何か・・・、どうすればいいとか、ありますか?」
きっと彼女は、今日という日を心穏やかに過ごしているはずだ。だって、僕の話を素直に聞いてくれたから。そう、僕は霊力者。会わずとも彼女をイメージすれば、その状況が視えるんだ。
僕はこんな話をした。
「深呼吸をしてください。鼻から吸って、糸を出すように口で吐く。そして同時に、白い色の空気を吸うイメージもしてください。悪意のある感情や言葉は汚れた色をしていて、それが血管の周りにまとわりついているのが視えるのです。これを白の光で浄化させる。そして、常に(ありがとうございます)と感謝することによって汚れから自分を守るのです。大丈夫です。あなたならできます」
最初のコメントを投稿しよう!