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次の週、洋様はまた私を連れ、時間より早く円様の家を訪れました。 「あんなに喜んでくれるとは思わなかったし、今日も持ってったらびっくりするかな」 未だに一人言の多い洋様はそう呟いてチャイムを鳴らしました。が、誰も出ません。 「あれ、いつもはすぐ出るんだけど」 鍵はかかっておらず、そのまま入ります。毎週来る事になっていますし構わないでしょう。 「すいませーん、まだちょっと早めなんですけど、家庭教師の──」 声をかけながら玄関に入っても誰も出て来ません。お母様は小学一年生の円様を残して出かけているのでしょうか。 「変だなあ。とりあえず部屋に行ってみるか」 階段を上ると、ドアが細く開いていました。
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