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隙間から、こちらに背を向け四つん這いになっている誠様の姿が見えました。 その下にいるのは円様のようです。床に押し倒されています。 私を落としそうになった手を強く握りしめ、洋様は唾を飲みこみました。 「家庭教師のガキが来る前に済ませちまうからなぁあ」 先週お会いした時とは違い、誠様の口調は粗暴でした。 「よかったな円ぁあ、俺が父親になったら毎日こういう事できるぞおぉ」 心なしか鼻息も荒い誠さんに対し、押し倒されている円様は怯えて声も出ないようです。 誠様は円様をいじめている。私は今のご主人様と初めて会った時のような不快感を覚えました。 ただ、変わったいじめ方でした。服を破いてそこに顔を近づけてはいるものの、殴ったり蹴ったりはしていません。
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