第0話 冥界のおまわりさん

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……ああ、いかんいかん。思わず、ださいを連発してしまった。 こういう考え方、偏見が良くないんだ。 少し決意したと思ったら、また前の考え方に戻ってしまっている。 「僕が決めたんじゃないよ。プログラムや魂の罪のレベルを決めてる機関が、この課題を設定してきたんだよ」 お馬鹿な内容かと思ったら、警察官の言い回し的に、どうやらこの内容、お偉いさんが考えたらしい。 お偉いさんが、俺や三雲さんの人生を見た時に、この課題が一番、ふさわしいと思ったということか……? なぜそんな結論にたどり着いたのか、甚だ不思議だ。 そもそも、あの子が人のことを好きになるなんてことすら、あるのかどうか。 それすらも想像がつかない。 隣の席だったことはあれど、三雲さんのことを、俺は全く知らなかった。 話しているところも、全然、見たことがない。 「まあ、四の五の言ってないでさ。向井諒人くん。君が、現世で周りの人から評価を受けていた理由は、明るく元気なところ、自己主張の強さ……そして、思い切りの良さだったはずさ」 「……そりゃどうも」 のっぺり、のらりくらり、まったり。 この警察官にお似合いのフレーズはこんなところだが、まさにそんなペースで、俺は丸め込まれていっていた。 「三雲さんと、俺が付き合えなかったら、この研究は失敗なのか……?」 「そういうことになるね。だから、地獄行きだ」 「……物騒なことをあっさり言うなよ! 期間はどれぐらいもらえるんだ?」 「特にない。君が諦めた時が、この研究の終了かな」 なかなか、漠然としているな。 ただ、期間が限られていないのは良かった。 俺は、絶対に諦めないからだ! 「でも、普通に友達になった方が、絶対に三雲さんのこと救える気がするんだけどなあ……」 「まあまあ。お偉いさんには、なにかしら考えがあるんだよ」 お偉いさんの考えていることはわからん、と生きてた頃もよく大人が言ったり、ドラマとかの台詞でもあったけど、それは死んでも変わらないらしい。 「よくわかんねえけど……あ、タイムリープしてやり直せるのは、いつのタイミングからなんだ?」 「鋭い質問だね。高校の入学式の日からかな。ここから、やり直してもらうよ」 「わかった。ちなみに……この日から、本当の歴史とは違う行動取るってことはよ、過去が改変されちまうって、ことだよな……?」 俺の頭の中に、一人だけ、ぼんやり姿が横切る存在が居た。
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