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すると総司さんは私の手を握って落ち着けるように配慮しながら話を進めた。
「なんで...屯所を抜け出したの?」
どうしよう...なんて言えばいいんだろう...
「元の時代に帰りたくなった?」
流石、総司さん鋭いなあ...
「...あの、皆さんにはほんとに良くしていただいて...この時代に安全に暮らす事が出来ているのは新撰組の皆さんのおかげだと思ってます...
でも一緒に過ごしてきた家族とか、やっぱり会いたくて、そんな時ここへ来る時と同じ猫を見たんです。」
わたしがぽつりぽつりと話すと総司さんはゆっくり聞いてくれた。
猫を辿っていけばまた、元の時代に戻れるのではと思ったこと。わたしの考えをゆっくり伝えた。
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