白い少女と金色の尻尾

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雪原ましろの姿はどこにもなかった。 最初は休みなのかと思ったのだが、驚く事にクラス表に名前が無かったのだ。どのクラスにも、雪原ましろという女子生徒は在籍していない事になっていたのだ。 何が何だか分からなくなった俺は、友達のもとへと駆けた。 おい見てみろよ!こないだの転校生、もういなくなったみたいだぞ! 一人興奮気味に話す俺に対して、奴らはまた冷ややかな視線を向けた。 「転校生?お前何言ってんの?」 「そんなのいなかったと思うけど……」 「夢でも見てたんじゃねー?」 こちらを指差してゲラゲラ笑う友達を前に、俺は内心納得していた。 よくよく考えれば、いやそんなに考えなくても分かる事なのだが、雪女は冬にしか活動出来ないのだ。三学期末まではまだギリギリ寒いので存在する事が出来るが、四月にもなるともういい加減暖かくなってくるものだ。そうなると、雪女に居場所はない。 「雪女……」 居場所をなくした彼女はどこへ行ったのだろう。鳥のように、もっと過ごしやすい場所へ移動したのだろうか。いや、どこへ行ったって日本にいる限り無駄だろう。そして雪女は日本の妖怪なので多分、海外には行かない。 何より皆の記憶から消えたのだ。これはもう、間違いなく。     
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