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口元にそれを当てて考えるように涼をじっと見つめる洋平に、涼は少しばかり眉根を顰める。
「ーー言っておくが、それ撮ったの桧枝だからな。賭けに負けて仕方なく……」
変な趣味の男と付き合っていたわけではないと涼は主張した。だがそれは逆効果だったようで。
「あの胡散臭いカメラマン? 余計にムカつくんだけど。何賭けとかで裸になってんだよ」
「……裸じゃないだろう」
涼は無駄な足掻きのように言ってみるが、もちろんそれで洋平が納得するはずもない。何を考えているのか、ますます顔を顰める年下の男に、涼はふっと息をついて提案してみた。
「おまえも撮ればいい。その写真を撮った時は二度とやるかと思ったけど……。おまえなら、いくらでも撮らせてやるよーー」
少し顔を仰け反らせ、嫉妬する可愛い男に涼が艶やかに微笑んでみせると、洋平は目を見開いた後、くすりと笑った。
「いいねーー」
涼に近づき机の上に写真を放った洋平が、ついでに机と涼の座る椅子に両手をかけて覆いかぶさる。
「その時は……俺のネクタイで縛るってのは、どう?」
顔を寄せて上から見下ろす年下の男は、雄の顔で舌舐めずりをした。
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