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ちょっとした用事で、めったに近寄らない職員室へ行った。
その時に何故あの写真を持っていたかというと、その本に挟まれていたのをすっかり忘れていたからだった。
特に恥じ入るつもりもないが、それでも周囲に見せて回るほど大らかな性格でもない。そもそも持ち歩く物でもなかったのだが、本に挟んだのは自分ではなく、悪趣味な友人である。
赤坂涼は、生徒の過去の作品や、持ち込んだ美術関連の資料で溢れた、雑多な雰囲気の美術準備室で、途方に暮れていた。
友人に人形のようだと茶化される顔と、肌の白さを隠す長めの髪型は、ずいぶんと役に立っている。
学生時代はこの顔のせいで苦労ばかりだったのだ。腐れ縁の友人に遊ばれていたのも原因の一つ。なので、その友人とは極力関わらないようにしてはいるものの、腐った縁とは言い得て妙で、偶然街中で、仕事先で、事ある毎に出くわしてしまう。あまりにそれが重なった時は、友人にストーカーの汚名を着せたこともあったほどだった。
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