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ゴールテープの向こう
私の幼馴染に、ミナちゃんという女の子がいた。
幼稚園の頃から、明るくてスポーツ万能で優しかったミナちゃんは、みんなの人気者だった。
それに引きかえ、私は人見知りでまわりより少し足が速いだけの、ただの負けず嫌いだった。
お絵かきもお歌も、ミナちゃんにはまるで敵わなかった。
幼稚園は運動場が狭くて、運動会の徒競走はいつもミナちゃんが隣を走った。
私は徒競走ではどうしても負けたくなくて、肘でミナちゃんの妨害をしたけれど、ミナちゃんは私の妨害も難なくかわして追い抜いていく。
そんな妨害をしても、ミナちゃんは笑顔で許してくれた。
私は悔しくて、ミナちゃんを勝手にライバルだと決めていた。
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