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巻き込まれたチェルル
ジェームダルとの戦争も一段落。帝国騎士達は各々用事が終われば領内に帰っていった。
結局最後まで残ったのは団長達とその恋人達、そして捕虜となるベリアンスとその護衛に数人、そしてチェルルだった。
「それにしても、本当に兄上の側にいるために国籍を変えるつもりなのか?」
ランバートが問うと、少し寂しそうにしながらもチェルルは頷いた。
「元々そのつもりで、アルブレヒト様や他の仲間にも話をしていたしね。戦後復興を手伝えないのは申し訳ないけれど」
だが、仲間達はしっかりと送り出してくれたらしい。
ハムレットとの関係が確かになる前から、チェルルは彼の側にいることを望んだ。そして無事に戦争を終えた今、ジェームダルから出て帝国に国籍を変えたいと申し出ている。
アルブレヒトは静かに頷き、「お前の好きにしていいんだよ」と言っていた。
彼の仲間達も寂しいと言いながらも、それがチェルルの幸せであるならばと了承した。
だが問題は帝国側だ。チェルルは過去、帝国に対してテロ行為を行っている。同じ罪のチェルルの仲間は全員国外追放という処罰で落ち着いたのだ。
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