クリスマスカードホリデー【DARLINGs side story①】 ＊

２

そこには真っ白な大きなペーパークラフトを作る数人の若者がいる。
真っ白な紙でできたペーパークラフトは、二階建の山荘の部屋をデザインしたオブジェ。
40センチくらいの高さの人物もいる。
テーブルの上にはケーキ、ケーキの上には蝋燭もある。
奥には暖炉、暖炉の火も真っ白な紙で作られている。
幅５メートル、高さ３メートルくらいのペーパークラフトの部屋は、さっきの女性の言葉通り、ふたつ折の巨大なカードを開いたようだった。
オブジェの前、中央から３メートルほど離れた床に一人の女性が胡座(あぐら)をかいて座ったまま怒鳴るように言う。
「折、考えたら50センチは中に入れなきゃ」
さっきの声だった。
「だったら、こっちのバランスが悪くなるだろ？」
さっきとは違う男性の声が響いた。
よく見ると4人いる。
胡座(あぐら)の女性と、最初の声の男性、そして少し穏やかな語り口の男性。
「今から位置変えるのは難しいから、ここちょっと細くしたらどう？」
ノートＰＣを持った女性が、胡座の女性に話しかける。
「細くしたとしても、はみ出すんじゃない？」
胡座の女性はそう聞き返している。
「実際に畳んだところを見せるわけじゃないんだからいいんじゃないの？」
最初の男性の声。