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君のことを何よりも大切に思っていた。
はずだった。
こんなにも罪悪感と後悔に苛まれているのは、君の反応が思いもよらないものだったから尚更だ。
まるで聖母マリアのごとく俺を支え、癒してくれていた君は、当然俺が別れを告げても広い心で受け入れるだろうと思っていた。
しかし君は泣きながら縋ってきた。
『別れたくない』
『悪い所があるなら治すから』
『私は圭と離れたくないよ』
『行かないで』
想定外だった。
そんな君を見るのは初めてで、そんな風にさせてしまったのは俺でしかなくて、辛くて苦しくて、握った拳は震えが止まらなかった。
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