未来へ結ぶ想いのかたち─KEI─

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「うっ…おえっ……」

思考が上手く回らない。

こんなにも泣いたのは人生で初めてだ。

まだ寒さ残る3月2日の夜。

とめどなく落ち続ける大粒の涙でぐっしょりと濡れた袖を冷たく感じながら、ひとり車の運転席でハンドルに突っ伏しなんとか自分を支えていた。

俺は大切な人を傷つけ、失った。

もう二度と、君の笑顔を見ることも、触れることもないだろう。

パッと花が咲いたような君の笑顔を思い浮かべながら買った一粒ダイヤの指輪を握りしめる。
自分の運命と、それに逆らえない非力な自分が憎くてたまらない。