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 船内からの視界に円形の物体が写った.私は端末をいじりながらコンタクトを取った. 「こちら警備艇,安全確認のために乗船許可を求む」 すぐに返答の代わりに発光にて了解を示した.    十分に近づけた後,一人乗りの警備艇を後にし,私は宇宙空間へと飛び出した. 近づいてみてみると,円形の物体には外から見るだけでも10は超える損傷が見られた.ずいぶん痛んだ船だな.私はそう思いつつスラスターを利用して近づいた.物体のハッチのそばまで,たどり着くと扉が空気が漏れる音を立てながら開いた.  私が船内に入るとすぐにハッチは閉じた.船内は外から見えるほどは痛んでおらず,掃除などはされているようであった.  「ようこそ.移動データベースへ」  声がした方を見ると,フワフワとしたカメラが付いた大皿程度の物が真上にいた.一目でかなり前の世代の機械であることがわかる.その証拠に所々塗装が剥げてきていた.私はカメラに向かって軽く敬礼をした.  「協力感謝します」  「いえいえ,警備活動ご苦労様です」 お互いに決められたような挨拶をする.『いつも通り』のことだった.そう,ここまでは.     
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