あなたの

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そう、っと目を開ける。 隣で眠る幼なじみ。 どきりと高鳴る鼓動には、気づかないフリ。 彼は、ぐっすりと眠っている。 布団にはほこりと二人分のぬくもり。 そろり、と足を絡ませる。 冷たい彼の足先にびくりとした。 する、と足を離す。 冷たい足を暖めようと、再度絡ませる。 序でに、というわけではないけれど。 ぎゅむ、と彼の逞しい胸板に顔を押し付けて。 広い背中に腕を絡める。 ふわ、と彼愛用のボディーソープの香りがする。 ちらりと壁に掛けてある時計を見れば。 午前一時半を報せていた。 まだまだ、時間はある。 だから、まだこのボディーソープの香りと。 布団の熱に身体を預けて、もう一度眠ることにした。
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