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だが、それも急に止まった。
「あ? な、なんで……」
彼の目の前に人影が立ち塞がっていた。
あたりは町中から古びた街並みが残る住宅街へと移っていた。
道幅も狭く、軽自動車程度しか通行もできないだろう。
地面も、アスファルトではなく少しいびつな石畳だった。
「ご苦労さんやね」
少し違和感の残るイントネーションで影は話しかけてきた。
「わ、私がなにをしたっていウんだッ!」
思わず彼は独特の訛り方で言葉を発した。
影も影だが、彼もまた此処京都の人間ではなさそうだった。
「何っていろいろやろ?」
平然と影は言い放ち、紫煙をゆっくりと吐き出した。
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