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予想外。
十分に気をつけていたと思っていた。
彼女、フルドラは動く者もいない清水寺境内までやってきていた。
護衛としてつけてもらっていた二人、狼男の兄弟であるゴルドとアフラの気配は感じない。
今まで北欧から日本に来るまで、幾つかの難局を切り抜けられたのも二人のおかげだった。
このままでは、自身も無事では済まないだろう。
我知らず、体が震えだしていた。
とっくに生に対しての執着などなくなったと思っていたのに……
「なにをしているのですか?」
唐突に声を掛けられ、フルドラは飛び上がりかけた。
振り返れば清水の舞台にある根元の柱から人影が現れた。
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